ミリタリーとデニムカルチャーが交差した、極めて魅力的な一点物です。
ベースとなっているのは、ヴィンテージデニムの王道として知られるLevi's 70505 BIG "E" デニムジャケット。1960年代後半から1970年代初頭に生産された70505は、3rdタイプから続く完成されたシルエットを持ち、今日でもヴィンテージデニムジャケットの定番として高い人気を誇ります。本品はその70505をベースに、韓国駐留時代のアメリカ空軍兵士が個人的に制作したと考えられるツアージャケット仕様。ベトナム戦争期から冷戦期にかけて、海外駐留兵士たちは記念として刺繍やワッペンを施したジャケットをオーダーすることがあり、本品もその文化を色濃く残した貴重な実例です。
背面には大きく、
"The 12th Commandment"
の文字と、
"RED HORSE"
"554 CES"
の刺繍が確認できます。
「The 12th Commandment(第12の戒律)」という表現は、兵士たちのジョークやスラングとして用いられることがあり、聖書の十戒になぞらえた部隊独自のユーモアが込められています。
中央のレッドホースの図案は部隊マスコットと思われ、下部には
"Thou shalt not hassle"
(面倒を起こすな/余計なことをするな)
と刺繍されています。
また記載されている554 CESは、
554th Civil Engineering Squadron
(第554土木工兵飛行隊)
を指すと考えられます。
冷戦期の在韓米軍基地運営において、飛行場施設や基地インフラの維持管理を担った部隊であり、戦闘部隊ではないものの基地運営に不可欠な存在でした。この部隊の韓国駐屯は1970年代後半ですので、1970年代後半に作られたツアージャケットといえます。
右胸にはアメリカ、国連、韓国国旗を並べた刺繍が入り、朝鮮戦争以降の在韓米軍の歴史を象徴する意匠となっています。
右袖には
"KOREA / Mission Chu Col Village"
と記されたワッペンが縫い付けられており、兵士たちが実際に訪れた村や歓楽街、駐留地周辺の記念ワッペンである可能性が高く、当時の兵士たちのリアルな駐留生活を感じさせます。
左袖の
"NO PARKING EXCEPT WITH GIRLS"
ワッペンもまた、当時の兵士たちが好んだジョークパッチの一例。こうした遊び心ある装飾もツアージャケットならではの魅力です。
さらに本品は単なるワッペン貼り付けではなく、背面・胸・内側に至るまで非常に手間の掛かった刺繍が施されており、当時のオーナーが特別な思いを込めて制作したことが伝わってきます。
70505自体の色落ちも非常に良好で、ヴィンテージデニムらしい美しいインディゴのフェードが楽しめます。ミリタリー、ツアージャケット、ヴィンテージデニムという三つの要素が見事に融合したコレクタブルな一着です。
製造国:アメリカ合衆国(ジャケット本体)
年代:1970年代頃(カスタムは1970年代と推定)
ベース:Levi's 70505 BIG "E"
部隊関連:554th Civil Engineering Squadron(554 CES)
駐留地:韓国
状態はヴィンテージデニムらしい着用感がありますが、刺繍・ワッペンともに良好な状態を保っています。長年の着用による色落ちやアタリはありますが、それらも含めて非常に雰囲気の良い個体です。
中古品ですので返品はできません。ご了承ください。
サイズ(平置き)
肩幅 47cm
身幅 54cm
着丈 58cm
袖丈 61cm