1940年代後半〜50年代初頭 フランス軍 空挺部隊(TAP) インドシナ戦争 将校個人調達 Windproof迷彩セット

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第一次インドシナ戦争という時代そのものを体現した、極めて異質で魅力的な一着です。

1946年から1954年にかけて戦われた第一次インドシナ戦争。当時のフランス軍、とりわけ空挺部隊は、第二次世界大戦後の再編と物資事情の中で、自国製装備だけですべてを統一していたわけではありません。米軍由来のHBT迷彩服、英軍Denison SmockやWindproof系装備など、もともと敵であったドイツ軍の装備や銃器など第二次大戦期の連合軍装備を含むさまざまな被服が実戦で混用されていました。実際、1951~54年頃のフランス空挺部隊では、British Windproof trousersと米軍迷彩ジャケットを組み合わせた例なども確認されています。

そして、そうした英米軍装備の影響を受けながらフランス軍が独自に発展させていったのが、戦後フランス空挺被服の象徴ともいえるTAP(Troupes Aéroportées)系のジャンプスーツです。1947年型から改良を重ねたTAP 47シリーズは、WWII期のBritish Denison Smockや米軍パラトルーパー・ユニフォームの影響を色濃く残しながら、インドシナという実戦環境の中で独自の進化を遂げました。

本品は、その歴史のさらに奥へ踏み込んだような個体です。

フランスから入荷した、元フランス空挺部隊将校の所有品として伝わるジャケット&トラウザーズのセット。元兵士他界に伴って当店へ入荷いたしました。

最大の特徴は、既製のフランス軍TAP迷彩服ではなく、イギリス軍から供給されたBritish Windproof camouflageの生地・衣類を素材として、TAP系のスタイルへ仕立て直したと考えられるカスタム品であること。生地は間違いなくWWII時代の英国製のもの。

このBritish Windproof camouflageは、ピンク~タン系の地色にグリーン、ブラウン系の大胆なブラッシュストロークを重ねた非常に特徴的な迷彩です。第二次世界大戦中に登場したWindproof Smock / Trousersは戦後も使用され、フランス空挺部隊がインドシナで着用した例も知られています。フランス側ではこの種のパターンが俗に「Peau de Saucisson」と呼ばれることもありました。

しかし、本品の面白さはBritish Windproofそのものではないところにあります。

ジャケットはフロントをフルジップ仕様とし、大型の胸ポケット、ショルダーストラップ、シャーリングを施した裾など、空挺服を思わせる極めて個性的な構成。さらに裏側を見ると、生地に以前存在していたポケットやディテールを取り外したとみられるステッチ跡が残っています。

つまり、単純に迷彩生地から新品の服を縫い上げたのではなく、既存のBritish Windproof系衣類を一度解体し、その生地を再利用して新たな服へ作り替えた可能性を感じさせる作りです。

そしてフロントジッパーも強烈です。

ブラスのエレメントに対して鮮やかなブルーのジッパーテープという、通常の軍用被服ではまず目にしない組み合わせ。本品の来歴では、フランス軍の運動着に使われていたジッパーを転用したもの。規格品をそのまま着るのではない。

 

手元にあるものを使い、自分たちが必要とする戦闘服を作る。そしてスタイルも担保する。

まさにフランス将校らしい仕立ての逸品。

 

この一点だけでも、物資と装備が複雑に交錯していたインドシナ戦争期らしい凄まじい存在感があります。

トラウザーズも見逃せません。

シルエットにはBritish Windproof trousersを思わせる要素を残しながら、左右両腿にカーゴポケットを装備。 オリジナルの英軍Windproof trousersをそのまま使用したものとは明らかに異なる構成で、ジャケット同様、この着用者のために仕立て直されたセットであることを強く感じさせます。

当時のフランス空挺部隊における外国製装備の使用自体は決して突飛な話ではありません。資料上でも、インドシナ戦争期にはBritish Denison、British Windproof、米軍M43/HBT系迷彩など、第二次世界大戦由来の装備を含めた非常に多彩な被服が確認できます。そこからフランス独自のTAP 47系が発展し、やがて「Lizard」「Leopard」と呼ばれるフランスを代表する迷彩文化へ繋がっていきます。

だからこそ本品は面白い。

英軍の迷彩生地、フランス軍空挺部隊の思想、現地で必要とされた実用性、そして一人の将校のためのテーラリング。

複数の軍隊と複数の時代の装備文化が、一着の服の中で交差しています。

一般兵へ大量支給された規格品とはまったく違う魅力を持ち、当時の空挺部隊の装備事情を考察する資料としても非常に興味深いセットです。

また、インドシナ戦争期のTAP 47/52をはじめとする空挺被服そのものが現在ではコレクタブルな存在となっており、British Windproofや米軍迷彩を組み合わせたフランス空挺部隊の着用例も資料写真に残されています。

そこへ、元フランス空挺部隊将校の所有品としてフランスから放出されたという来歴。

量産されたヴィンテージミリタリーを探す感覚とは少し違います。

同じものをもう一度探すことが極めて難しい、完全な一点物個体です。

ジャケットとトラウザーズが揃って残っていることも大きな魅力。70年以上前の戦争と、その時代の空挺部隊の装備文化を現在まで伝える、MILITARIA 1911としても強くおすすめしたいスペシャルピースです。

CONDITION

実戦使用を感じさせる褪色、経年変化、汚れ、細かな使用痕がありますが、1950年代の特殊なカスタム被服としては比較的綺麗な状態を保っています。

ジャケット背面に1箇所傷があります。また、各所に旧ポケット等を取り外したと考えられるステッチ跡、縫製跡が見られます。これらは本品が既存の衣類・生地から再構築されたことを物語る、非常に興味深いディテールでもあります。

70年以上前のヴィンテージ軍用品であり、現代の衣類とは状態基準が異なります。写真をご確認のうえ、歴史的な経年変化を含めてお楽しみください。

中古品ですので返品はできません。ご了承ください。

 

サイズ(平置き)

ジャケット
肩幅:47cm
身幅:53cm
着丈:69cm
袖丈:61cm

パンツ
ウエスト:40cm

ヒップ:58cm
股上:31cm
股下:80cm
わたり:35cm
裾幅:13cm

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